ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」とは?
日々ChatGPTなどの生成系AIへのインプット、アウトプットを繰り返しながら過ごしてますが、少し前のAIの頃に語られたアートがどう変わっていくかにも興味が出てきたので、表題のテーマで会話していました。会話が続きそうなので、現時点での論点などについてはブログに出力しておきます。
ヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin)の著作「複製技術時代の芸術作品」(”The Work of Art in the Age of Mechanical Reproduction”)は、1935年に発表された重要な論文です。この論文では、機械的複製技術が芸術とその受容にどのような影響を与えるかを考察しています。ベンヤミンは、次の4つの主要なポイントを提案しています。
- オーラの喪失: 複製技術の発展により、芸術作品のオリジナルに対する尊敬や畏敬の念(オーラ)が失われることを指摘しています。オーラは、作品の独自性、歴史性、そしてその存在の唯一無二さに関連しています。機械的複製により、オリジナルと複製の境界が曖昧になり、オーラが薄れるとベンヤミンは主張します。
- 芸術の大衆化: 複製技術の発展により、芸術作品がより多くの人々にアクセス可能になり、大衆化されると述べています。この結果、芸術はエリート文化から大衆文化へと移行し、社会的・政治的な影響力が増すと主張します。
- 芸術の政治的機能: ベンヤミンは、複製技術が芸術作品の政治的機能を強化すると考えています。複製品が広く普及することで、芸術作品はプロパガンダやイデオロギーの普及に利用される可能性が高まります。
- 受容の変容: 複製技術時代の芸術作品は、観客の受容の仕方が変化することを指摘しています。映画や写真などの新しいメディアが登場することで、観客はより分散した注意力で作品を消費するようになり、従来の「瞑想的」な芸術鑑賞から「習慣的」な芸術鑑賞へと移行すると主張しています。この変化は、芸術と観客との関係に影響を与え、新しい表現方法や意味の創造につながります。従来の表現形式に対する境界の崩壊や、新しい視覚言語の登場により、芸術家たちはより革新的で実験的な作品を制作するようになります。
このように、ヴァルター・ベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」は、機械的複製技術が芸術の本質、価値、受容、そして政治的機能に与える影響について深く考察した重要な論文です。彼の考えは、デジタル技術やインターネットがさらに発展した現代社会でも、引き続き関連性があり、芸術と技術の関係について考える上で有益な洞察を提供しています。
個人的なオーラの記憶としては、マドリッドで見た「ゲルニカ」の部屋の空間そのものの体験かな、と思ってます(大泣きしました)。
生成系AIで改めて認識する必要がありそうな点
- オーラの喪失:
- オリジナリティと独自性の価値はどのように変化しているのか?
- AIによる作品創造がオーラの概念にどのような影響を与えるのか?
- オーラの喪失が芸術作品の価値や鑑賞の仕方にどのような影響を与えるのか?
- 芸術の大衆化:
- AI技術が芸術の大衆化をどのように加速させるのか?
- 大衆化が芸術界に与えるポジティブおよびネガティブな影響は何か?
- AI技術が大衆化とともに文化的多様性をどのように促進するか?
- 芸術の政治的機能:
- AIによる作品創造が政治的プロパガンダやイデオロギーの普及にどのように利用される可能性があるのか?
- 芸術作品の政治的機能が社会や文化に与える影響は何か?
- 芸術家やクリエイターは、自身の作品が政治的に利用されることにどのように対処すべきか?
- 受容の変容:
- AIによる作品創造が観客の受容の仕方にどのような変化をもたらすのか?
- 人間の創造性や感性が作品評価にどのような役割を果たすのか?
- AIと人間が共同で創作する作品に対する評価基準や鑑賞の仕方はどのように進化するのか?
影響としては下記のような可能性がある、と考えられそうです。
- オーラの喪失: AIによる作品創造が増えることで、オリジナリティや人間の手による芸術作品のオーラがさらに問われることになります。AIが創作した作品と人間が創作した作品の違いや、その価値観が変化する可能性があります。
- 芸術の大衆化: AI技術が広がることで、芸術制作のアクセシビリティが向上し、さらなる大衆化が進むでしょう。これはベンヤミンが指摘した複製技術による大衆化と類似した変化です。
- 芸術の政治的機能: AIによる作品創造が増えることで、芸術が政治やイデオロギーの普及にどのように利用されるかという問題が浮上するかもしれません。また、AI技術を使ったプロパガンダやフェイクニュースの拡散が懸念されます。
- 受容の変容: AIが創造した作品が増えることで、観客の受容の仕方も変化するでしょう。例えば、人間の創造性をどの程度重視するか、AIによる創作に対する評価基準が進化することが予想されます。
NFT等の要素も加えデジタルアートでの論点
ChatGPTさんと会話しながら整理すると、以下のようなディスカッションの設定で進めるのが良いのではないか、という会話の流れに今のところなってます。もう少しオーラの喪失、ライブの要素が入った方がよいのかも知れないですね。
「デジタル技術と芸術の未来:機会と課題を探る」
以下は実際にディスカッションを行う場合の想定のアウトプット。
- イントロダクション (10分)
- 参加者の自己紹介
- 議論の目的と背景の説明
- 目的:デジタル技術(AI、NFTなど)が芸術に与える影響を理解し、芸術の未来に対する機会と課題を共有・議論すること
- 背景:デジタル技術の急速な発展が芸術の制作や評価、配信などに大きな変化をもたらしており、芸術家や研究者がその影響を模索している状況
- ディスカッションのルールやエチケットの確認
- ルール:発言の順番を守る、オープンで尊重のある態度で意見を聞く、時間を厳守する、など
- エチケット:他者の意見に対して礼儀正しく反応し、建設的なフィードバックを提供する、適切な言葉を使ってコミュニケーションする、など
- テーマ1:デジタル技術と芸術の本質・価値観、機会と課題 (30分)
- 目的:デジタル技術(AI、NFTなど)が芸術の本質や価値観にどのような影響を与えているかを検討し、技術の進化がもたらす機会と課題を共有・理解すること
- AIやNFTが芸術の本質や価値観に与える影響について議論
- オーラの喪失やデジタルアートの評価についての意見交換
- テーマ2:デジタル技術の法的・倫理的問題と環境負荷、グローバルな視点 (30分)
- 目的:デジタル技術が引き起こす法的・倫理的問題や環境負荷について議論し、異なる文化や地域における芸術の影響を考慮することで、グローバルな視点で芸術の未来を検討すること
- AI作品やNFTに関連する著作権や所有権の問題について議論
- デジタル技術の環境負荷や持続可能性についての意見交換
- AIやNFTが世界中の様々な文化や芸術に与える影響について議論
- 総括 (10分)
- 各テーマで議論された主要なポイントのまとめ
- 今後のアクションや課題についての提案
- セッションの感想やフィードバック
ChatGPTは議論にそのまま参加出来ないから、人が議論するお膳立てとしてセッションのAgendaをまとめるのは得意だと思います。まいど時間の計算は間違える傾向がありますが。
奥深いテーマの1つだと思ってますので、もしコメントなどございましたらお聞かせください。
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