時間あいちゃいましたが、GWに観ました。
トレインスポッティングを観たときみたいな躍動感。それが感想です。
スラムドッグ$ミリオネア 公式サイト
この映画はダニーボイル監督作品の最新作にして、2008年度アカデミー賞最多8部門受賞作品。
シナリオはタイトル通りでスラム育ちの青年ジャマールが億万長者誕生番組で最高額の賞金を獲得する過程を描いたラブストーリー。
ストーリー構成は、初日にがっつり稼いでしまって警察で取り調べを受けている現在で、取調官になんで答えを知ってたか?の解説としての主人公ジャマールの生い立ち話が次第に現在に近づいてきて、いよいよクライマックスのラストクイズに繋がり、、、と言う内容。
この映画、観客は最初から結末はわかっているようなものなのです。何しろ結末を考えさせるクイズが映画でも出てきてますし。
でも、警察でのジャマール、生い立ちシーン、実際のテレビ画面やテレビスタジオと3元中継の編集スタイルで映画が進み、観客はいやがおうにも作品の世界に集中させられていきます。
そして過去からのシナリオが現在のクイズ2日目に追いついた時点からラストまでの躍動感はもうダニーボイルのマジックと呼ぶしかない。
東京もそんなに甘くありませんが、それよりもっと劣悪なムンバイ(元ボンベイ)のスラムのカオスな環境に生まれて、ひどい社会を山ほど見てきたと言うのに、こんなにピュアに愛を叫べるジャマールのストレートさに思わず涙していまいました。
作品としてはどの映画がもらってもおかしくないような秀作ぞろいの2008年度アカデミー賞でこの映画を作品賞に推す人が多かった理由の一つはきっとここのメッセージ性じゃないかと思いました。僕らは何かに甘えて、欲しい物を本当に手に入れたいとこんなに全身で言えてない、と言うことをダニーボイル流の解釈で映画を通して伝えられた気がします。仮に作品賞をもらってなくても僕はここの感想は変わんないと思う。
ま、受賞にあたっては実際はもっといろいろと理由はあるでしょうけどね。
映画大国インドへのリスペクトも込めたエンディングは結構笑えます。
それと、さんざんな目に会いながらギリギリのところで乗りきってきた兄弟愛。最後は割とあっさり描かれていたけど、これもラストへのひとつの符線だったんだなと思うと、後から思い出してじんときますね。
個人的には音楽も良かった。サントラが気になります。
ぶっちゃけストーリーだけを追っかけるなら映画館で見なくても良いような気はしちゃったんだけど、この音楽のバランスの良さは、たぶんホームシアターでは迫力が足りない気がします。
オスカー映画子役に過酷な現実…「スラムドッグ」の住まい強制撤去 – MSN産経ニュース
こんな感じでニュース的にもまだまだ話題が多いこの映画、良かったら劇場でご覧ください!
[追記]
映画「スラムドッグ$ミリオネア」 ダニー・ボイル監督インタビュー (1/4ページ) – MSN産経ニュース
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