[映画]ファンタスティック プラネット(監督ルネ ラルー)

CINEMA

なんで今までこの映画を知らなかったんだ!、こんなオープニングからエンディングまで登場するキャラ含めやられっぱなしの映画に出会ったのは久しぶりだ!と思ったので感想を残しておきます。

今回の映画は約36年前に制作されて今でもカルト的な人気の高い”ファンタスティック・プラネット”と言う作品です。原題だと”LA PLANETE SAUVAGE (野蛮な惑星)”英語の「ファンタスティック」と言う非常に明るいな雰囲気にだまされちゃいかんって程にシュールで素敵な映画です。
尺は1時間ちょっとと今となっては短い部類かも知れませんね。

とりあえずこの映画、僕としては3回は楽しめるんじゃないかと思います。

1回目は当然普通に観ましょう。
シナリオはアマゾンの解説からそのまま引用させてもらいますw(手抜き)。

1957年に発表されたステファン・ウルのSF小説を映画化し、1973年のカンヌ映画祭では、アニメ作品として初の審査員特別賞を受賞した。資本はフランスだが、チェコ・アニメの名匠イジー・トルンカのスタジオで製作されたカルト・アニメだ。
青い皮膚に赤い目という巨大なドラーグ人が支配する惑星で、人間たちは彼らのペットになるか、害虫のように殺されるしかなかった。しかし、ついに人間たちはドラーグ人に対して反乱を起こす。
切り絵を動かすようなシンプルなアニメの手法が、物語の不気味さを倍増。ぎこちない動きは、子ども時代に初めて恐ろしい絵本や童話を目にしたときのトラウマ的感覚を呼び戻すかもしれない。SFなのに原始生活を送る人間たちという設定や、耳が翼になって飛ぶ虫をはじめとした、強烈なビジュアルの惑星の動植物も心をざわめかせる。ただ「すごいもの」を期待すると、肩すかしを喰らうのも事実。音楽との恐ろしい融合を果たした、マネキンのダンス・シーンだけでも本作を観る価値はあるかも。(斉藤博昭)

と、まぁ単純にドラーグ人の惑星で人間が害虫状態に暮らしていると言う設定だけでも充分なのですが、それを気味の悪いアニメーションである意味あっけらかんと表現しているところにこの映画のすごさを感じます。オープニングでドラーグ人の子供達が人間に対してかなりえぐい事をするのですが、その姿は子供の頃にきっと多くの人が経験している自分の姿とダブるのです。人間なんて地球からすればこんなちっぽけなものさ!と言う観点と、体が大きいと言うだけで、我々人類は他の生物の人生(?)を踏みにじっているわけです。しかも単純な子供の興味本位で、何の躊躇も無く。その両方を一気に伝えてしまうオープンニングからこの不思議な惑星の世界に引き込まれてしまいました。

純粋にDVDで映画を楽しんだ後のお楽しみ方法ですが、他の人達の反応ってどうなのか?知りたくなります。

探してみたら、普通にニコニコ動画にあって、これがまたとても良い楽しみ方を提供してくれてました。
ぜひとも著作権云々と言う通り一遍等の能書きはこの際置いといていただき、消さないでいただきたい(基本的にお願いする類いの話じゃないんだけど)。
自分の感性と人の感性がどこで交わり、どこですれ違って行くのか?を確認出来ると思います。

全部で3ファイルですがオープニングの1だけ貼っておきます。

映画が観すすめるにあたってどんどんピュアなコメントが増えていくところが何とも素晴らしいです。
まぁそこに至るまですんごく笑えるんだけど。

この映画は1973年のカンヌ国際映画祭パルムドールにノミネートされ、特別賞を受賞した作品ですが、この作品に賞を与えたカンヌの評価は素晴らしい。アカデミー賞とはまた違う視点で映画を捉えているのだと感じました。

3つめの楽しみ方は視点を変える楽しさです。
昨年公開されて日本の怪獣映画をパクったと話題となった「cloverfield – HAKAISHA」の感想の時にも書いたのですが、例えばあの映画はゴジラが登場した地上で起きている部分を描いた映画だったと思います。

クローバーフィールド HAKAISHA(CLOVERFIELD HAKAISHA)観てきた | -edge of the future-

じゃあ、このファンタスティックプラネットをそういう視点の切り替えで観られるような映画ってないかな?と思って記憶を辿ってみたらひとつ思い浮かびました。

小さい人間側の視点での慌てふためきっぷりと言う面で「宇宙戦争」。
原題は「War of the Worlds」です。H・G・ウェルズの同名小説の映画化で、リンクはトムクルーズ主演、スピルバーグ監督作品ですが、ジョージ・パル製作、バイロン・ハスキン監督作品がその昔ありました。

あとはアニメじゃないのですが、映画観ながら同じように人間の滑稽さを題材とした作品として日清カップヌードルの「hungry?」シリーズCM。こちらもありがたい事にyoutubeに揃ってました。まぁCM史上に残る作品だとは思うので。

と、色々味わい深い作品なのですが、僕がこの映画のエンディングまで観た後に、観たくなったのがこちら。
映画史に名を残す作品「Intolerance(イントレランス)」。
これも本当に大好きな作品です。

その昔、「栄光なき天才たち」と言うヤングジャンプだか何かに連載されていた作品で、監督のD・W・グリフィスの生涯を書いた作品をたまたま読んで、どうしても作品が観たくなり、学校の視聴覚室かなんかで発見し観て感動した記憶があります。

初めて俯瞰撮影をした作品として有名なこの映画を観ると、近代の映画の、特に最近ならCGを使った映画のカメラワークの原点がみんなここにある、と思ってしまいます。敬意を表してパクってると言うか。
シナリオも人の不寛容は時代を超えて変わらないって、人間に対する一つのメッセージを出してくれているので、機会があったらご覧ください。上映時間も長いんで、忙しい現代には落ち着いて観られる人が少ないような気がして残念だけど。

と言うわけで、前へ前へとばかり進んでいると、ついつい目の前の小さな課題に翻弄される醜い自分になってしまいがちな毎日ですが、普遍的なテーマって時間が経っても色褪せないのだと言う事を改めて考えさせられる映画だと思います。
ま、そんなに重苦しい作品じゃないって事は、観た人ならわかると思いますけどw。

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
✨ コーヒーとクラフトビールの愛好家で、在宅勤務を楽しむジェネレーションアルファ世代の父。Bromptonでのサイクリングをこよなく愛する。

最近のプロジェクト:
AIを活用して、架空のファッション雑誌風写真集を出版。デジタルアートの新境地を探求。
1999年から続く私のウェブサイトは、私の長年のライフワークであり、成長と学びの旅の記録です。未熟なコンテンツもありますが、それもすべてが私の経験の一部。SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

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