慶應義塾大学三田キャンパスで開催された”セマンティックWebコンファレンス2009 〜Web3.0に向かうセマンティックWeb〜”と言うカンファレンスに参加してきました。
概要
開催日時:
2009年3月16日(月) 9:30 − 18:00 (受付開始 9:00)
会場:
慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール
東京都港区三田2-15-45
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
参加費:無料
プログラム:
9:35−10:20 基調講演 「Web3.0へ向けて」
斎藤 信男 (駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 学部長)
10:20−11:20 基調講演 「医療情報とオントロジ」
田中 博 (東京医科歯科大学 情報医科学センター センター長)
11:20−12:10 セマンティックWeb委員会活動報告
13:10−15:55 実用化システムと研究プロジェクト紹介
16:25−17:55 パネルディスカッション「エンタープライズ3.0に向けて」
1日がかりのカンファレンスでしたので個別の内容は割愛させていただきます。当日の発表資料はサイトにアップされるとの事です。
3/17追記:発表は資料の内容通りでまったく同じ。
と言うわけで個人的な感想は主に最後のパネルディスカッション「エンタープライズ3.0に向けて」についてです。
3/17追記:ここはある意味フリーダムな時間だったので。
申し込み時のアンケートを用いて富士通研究所の津田氏が簡単集計結果を発表なさっており(個別の研究発表時でも紹介なさっていましたが)、その分類によると僕は「企画」と言うスタンスで参加した事になります。多くはエンジニア、研究者でしたが、今後は役員、企画、営業担当など、商用化に向けた認知度を向上させる必要がある、と言うご意見でした。
※実際に富士通ではセマンテック技術を用いたシステムを地銀に納入実績あり。
僕も商用に向けて今までの技術者だけの世界から幅を広げるべき、と言う意見には同意です。
ただ、その企画と言う観点から考えると、1日を通してやはり「セマンテックウェブって美味しいの?」と言う単純な疑問に対する答えはまだ見当たりませんでした。
最後のパネルセッションの会場との質疑応答でもセマンテックやWeb3.0と言うものはどういうメディアなのか?と言う質問が出ており、聴講側にも同じように具体的な利用シーンが見えず、イメージを掴みかねている人がいらっしゃったようです。
僕自身はどういうデバイスでセマンテックウェブを使えば、メリットを感じてもらえるのか?とかメーカー側の検討状況も話にあがるかと思いましたが、パネラーとして登壇していた東芝の長野氏の回答では、製造業はあくまでもハード開発が中心で、ソフトはおまけと言う認識が依然として根強い印象を持ちました。
同じくパネラーとして登壇なさっていたメタデータの野村氏は「Web3.0はARではなく、セマンテックだと思っている」と言う主張をなさってましたが、3.0を代表する技術はどういう技術か?と言う話は研究者としては大切なのかも知れませんが、企画者、1ユーザーとしてはその技術を用いて、どういうビジネスが組めるのか?誰にベネフィットがあるのか?に目がいってしまいます。そういう意味では利用者のメリットを訴える話が少なかった気がしました。やはり他の技術や他の行動様式と今回のセマンテックやオントロジーといった世界が繋がると、少しはブレークスルーしそうな気がしました。
かれこれ10年近く関わってる方が多い割には、具体的な事例が少ない、ある意味ブレイク前夜な感じなのか?このまま何となく、縮小してしまうのか?(それはないと思うが)技術としてはそろそろ市場を向いてアウトプットするフェーズに入っているの否が応でも向かっているそんな印象です。
P.S.
ここから先は、たまたま聞いてしまっただけと言う事で。
ランチの時に関係者(学生?)らしき方が「発表内容って去年からあんまかわってないよな、、、これで大丈夫なんだろうか?」的な事をつぶやいてるのを小耳に挟んでしまいました。まぁ信頼度の低い情報ですが。
ちなみにこちらが昨年のカンファレンスのサイトです。
セマンティックWebコンファレンス2008
それと、ちっともセマンテックと関係ないけど、病院のカルテがラテン語が基本な理由が、医学とはヒポクラテス以降、約2000年の観察記録だから、と言う単純な話を今日知りました。ものすごい症例のデータベースになっているのですね。カルテって。でも病院だと時間が経ったら捨てちゃってるところが多いのですよね。たしか・・・。
3/17追記:イベントの説明で「コンファレンス 2009」で検索したら上の方に出ますので、と説明があったのですが、SEOとしてはうまく行ってる気がしました。普通なら「カンファレンス 2009」でしょう。
コンファレンス 2009 に一致する日本語のページ 約 386,000
カンファレンス 2009 に一致する日本語のページ 約 1,470,000
桁が違いすぎる。
コメント