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DevPost Odysseyコンテストに「Umwelt Drift」を応募しました

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ブログがConoha WingのDB容量問題で書き込みできない事象に毎度対応するのもおっくうになってきたのですが、忘れないうちにここに置いておきます。

自分の外側に作った、もうひとつの記憶装置みたいな場所として。

11月8日、AIフェスティバル2025のミュージックビデオワークショップに参加した時、講師のELIMさんからフィードバックもらいたいなら「Odysseyみたいなコンテスト出してみたら?」と言われ、これまでコンテスト参加など全く考えたことが無かったので興味を持ちました。

1週間で駆け抜けた制作

調べると締切まで1週間。「あ、これはとりあえずやるしかない」と静かにスイッチが入って、その日の夜から制作開始。

結果、どうにか期限内に提出できたのは…まあ、運が良かったのか、惰性だったのか、その中間あたり。

というわけで、下記ページに応募作品が掲載されておりますので👍をお願いします。

作品ページ:https://devpost.com/software/umwelt-drift

コンセプトという名の、わかりにくい罠

テーマはユクスキュルの環世界嘉吉の乱(🦆)の組み合わせ。

「環世界(かんせかい、Umwelt)」とは、ドイツの生物学・動物行動学者 ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(Jakob von Uexküll)が提唱した概念で、生物がその感覚器官や行動能力を通じて「自身にとって意味ある世界」を知覚・構築しているという考え方です。

「嘉吉の乱」(かきつのらん)は、室町時代、1441年(嘉吉元年)に起きた重要な政治・軍事事件です。
大まかに言えば、守護大名の 赤松満祐 が、当時の将軍 足利義教 を暗殺し、その後播磨国で幕府の討伐軍に敗北して滅亡したというものです。

説明書きながら「これ、多分ほとんどの人がピンと来ないやつだな…」と途中で気づいた。書く前に気付いていなかった事の方がすごいのですが、そもそも1週間でできる範囲で提出するという発想自体が無かったのだと思う。

その観点で考え直すなら、もっと素直に「蝉の一生」を蝉目線で描くほうが親切だったかもしれない。(しかも、制作期間1週間=蝉の青春、という雑な比喩も言えたのに…という後悔だけが後から生まれる。)

本当は“差分”を描きたかった

そもそもは、AIが人間をデータとして認識する時に生まれる“知覚世界と作用世界のズレ”みたいなものを扱いたかった。

人が歴史として語り継いできた世界との微妙な差分。それに、私は昔からD.W.グリフィス『イントレランス』が好きで、時間軸が溶けるようなあの表現にも惹かれていたので、そこも何か取り組んでみたかった。

生物は人間の思うより長い間隔で過ごしているはずなので、数百年単位はかなり短いはず。なので人類の歴史でいうと大分前に思える出来事の時にも、今と同じような生活をしていたのだと考えました。そのくらいに曖昧な時間軸で人間側の出来事も捉えつつ、AI映像の中で再解釈できたらと思っていたわけですが、制作技術的にはまだまだ力不足だとは思いました。AIで短時間で色々創れるからといって、表現しやすいシナリオで制作していく必要があるのだと思いました。実際にはプロンプト通りに出力されるかはガチャな要素が強く、特に今回のように制作時間の縛りがあると出てきた中からチョイスする以外に選択肢がない場合もあります。平たく言うと「やっつけ感」がでる仕事になりがちなので、高品質なクリップを低コストで大量生産できる環境が必要だと思っている部分。ここでいう品質に含まれる成分としては、意図した通りの映像という要素が強い。

舞台裏のざらつき

そもそもの話で恐縮ですが、私は虫が苦手で、生物の質感を真正面から扱うのは無理だった。なのでビジュアルは“メタル自然”みたいな方向に逃げた。理論から遠ざかってしまったけれど、これはこれで別の読み方があるのかもしれない。根底にはMatrix的マシン世界という部分はあるのですが、いっその事スチームパンクっぽい世界に振り切ってしまう方が特定の人には受けるのでしょうけど、あんまりスチームパンクに食指が動かない。このあたりの世界観の作り方は模索していけるといいと思ってます。

映像編集は10年以上眠っていたFinal Cut Proを久々に起動。LUTを当てるだけで「これで合ってる?」とClaudeに聞いてしまうレベルのリハビリ感。結果、編集時間も足りず、細かい詰めは甘い。でも、たぶん時間があっても同じだった気もする。Filmoraを使い始めたら日常使いはこれで事足りる気がしたものの、ツールは日頃から触ってないと手癖で作業が進む感じにならないんだな、と再認識しました。

音楽はSunoで作っていたLiquid DNBの曲を軽めに編集して使用。

仮編集では別の曲で作ってましたが、こちらも途中で差し替えました。つまり最初から曲が決まってなかった状態なのでその分制作時間が短くなった。ちなみに、SoundCloudで配信している音源は軽く調整済ませた音源ですが、動画に使った音源はほぼSuno音源そのまま。ここは提出に気付きましたが差しかえる余力がなかった。AI使うと素材量がとにかく増えるので素材管理の体制も自動化していく必要があると感じました。

最終的に使用している楽曲はこちらです。

視聴数についての、正直なところ

正直に言うと、再生数はぜーんぜん伸びていないです。まあ、これが今の実力なんだと思う。ただ“提出した”という事実だけが机の上にぽつんと残っている感じです。

不思議と焦りよりも、次を作ってみたい気分のほうが強い。

構想段階から自分の手を動かして確認しながら進められるのはAIを用いて映像を制作できる点でかなり便利ですが、実際にはシナリオや構成を作る部分の時間を取った方が結果としては時短になるので、計画に時間を割く事と、実制作時間を更に短縮出来る技術力を高めることで作品自体の品質は上げられるので、自動化(並行してマルチエージェント環境で自動で動くスタジオも作ってます)する仕組みを作りつつ、制作プロセス全体の構築と最適化を進めていこうと思いました。こういうのも実際に手を動かしてみると肌感が生まれやすく、仮説を持ちつつ実装しながら改善することで精度を高めていける適度にアジャイルな進め方があっているように感じました。

そういう意味では、今回とにかく“提出する”という制約の多い目標を作ることで、制作そのものへの抵抗が少し抜けた気がします。自分の考えていることをきちんと形にして、人に届く作り方をもう少し丁寧に探していきたいと思ってます。

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
✨ コーヒーとクラフトビールの愛好家で、在宅勤務を楽しむジェネレーションアルファ世代の父。Bromptonでのサイクリングをこよなく愛する。

最近のプロジェクト:
AIを活用して、架空のファッション雑誌風写真集を出版。デジタルアートの新境地を探求。
1999年から続く私のウェブサイトは、私の長年のライフワークであり、成長と学びの旅の記録です。未熟なコンテンツもありますが、それもすべてが私の経験の一部。SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

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