久しぶりにICCに行ってきました。
ちょうど社会人になった頃に出来た設備で、何度も来たことはあるもののそういえば最近ご無沙汰気味な場所でした。
今回の展示は「可能世界空間論」空間の表象の探索、のいくつか。
たまたま行ったらワークショップの時間だったようで、途中からそのまま参加させていただきました。
この日開催されていたのは
”オープン・(リ)ソース・ファニチャー・ワークショップ”
と言う慶応の田中浩也先生のワークショップです。
上の階の展示を見て知ったのですが、小難しいアルゴリズムを使って計算した結果を、工作マシンを使ってベニアの板のピースを作り、それらを組み合わせて玩具や家具を作る、と言うものです。
最初に作る作品のテーマを選ばされるのですが、なぜか「山」と言うカードを引きました。
さっそくその「山」を作るべく、ピースの組み合わせルールのレクチャーを受けます。このルールが良く出来ていて(当たり前!)、板の厚さや切り込みのサイズ違いでうまくはまったり、ルール違反になったりして、良い感じで脳に汗をかきます。
サイズも小さいものから大きいものまで様々に用意されてます。
会場の真ん中にある大きな樹木のようなオブジェもそのピースで作られています。
さっそくテーマの「山」を作ろうとするのですが、先程の組み合わせルールのおかげでなかなか思い通りに組上がりません。そして途中から別の指示も加わります。だんだん家具っぽい方向性に向かわせるようになっているらしく、こんな感じになりました。
ここまで来ると「デスク」っぽくなります。
その後も指示が増え、名前を付けたりして最終発表、ワークショップの目的を解説と言う流れでした。
Twitterも大活躍していて「#kanousekai」と言うハッシュタグを使い会場の人同士、ネット経由での参加も出来るようになってました。心なしかiPhone率も高かった気がします。
なので、せっかくの面白い内容だったので写真以外にも残しておこうとTwitCastingをしてみました。
3G回線の中継にはかなり無理があり、ぜんぜん動画とは呼べませんが雰囲気だけどうぞ。
iPhoneがものすごく発熱して持つ場所を選ぶので画面はブレブレです。
※ワークショップ参加者は全員撮影許諾のサイン済です。
終わってみれば、「山」を作っていたはずなのになぜだか日用品を置いてみるとテーブルとか作業台っぽくなってしまっていたわけで、主催者側の説明による「形と機能の再構築」が行われていたのだとわかります。
被験者としてはなんでだろうか?と考えるわけですが、たぶん脳がピース自体を組み合わせる作業と、突然使う事になる日用品と言う”生活を連想させるパーツ”に対してそれぞれ使われていたニューロン同士を無理やりつなげようとした結果、「家具」を連想し、制作する行動もそちらに振れていったのかも知れない。少なくとも僕は真ん中にThinkpadを置いた時になんとなくそんなヒラメキ
=「そうだ、これは作業台だ。作業台にしよー!」
と言う感じになった。
普段の思考プロセスを知る面白いワークショップだと思いました。
もう少ししっかりした理屈は主催していた研究室の方のブログでご確認ください。
ORSFワークショップvol.3-@icc 10/02/07
実はこれもTwitterでfollowしていただいて知りました。お疲れ様でした。
しかし、ワークショップですごく偶然に同期入社の人に会ってびっくり。
ワークショップが終わってから展示を見ましたが、昔からの展示物は老朽化や修復中で動いてないものも多く残念な感じもしました。その中でもICC開設当初からあるこの作品が現役で見られるのは何とも嬉しい限り。
グレゴリーバーサミアン:ジャグラー
http://www.ntticc.or.jp/About/Collection/Icc/Juggler/index_j.html
電話屋の設備なので電話を投げるところがおつだと思う。
初めてこのアニメの仕組みを見てしまった時のヤラれた感は何とも言えないですね。僕は初めて来たときに偶然止まるところを見てしまい、なんかやるせない気持ちになりました。
それと今回のテーマの「空間」と言う観点では入り口にあるこの展示はしっかり観た方がいいと思いました。
メタバースプロジェクト ”ゴットは、存在する”
無造作に置いてあるのですが、ゴットは確かに存在していて、上の階の展示とつながっています。
ツッコミどころとしては、説明を受けないとちっともわかんない、と言う事と、使ってるマシンは全てMacなのに、AVATARの作品のところのURLに行ってもWindowsの、しかもIEでしかアクセス出来ないと言う矛盾ですね。
そういうオチまで含めて非常に良く出来た作品だと思いました。
初台と言う非常に思い立ってもなかなか行かない建物の中にある設備ではありますが、たまに行くと面白い発見があるものだと思いました。
そんなわけで。
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