僕が電柱写真を撮り始めた理由

art

私事ではありますが、”tab – 「行ってみたい」を集めた位置情報共有サービス”と言うサービスで4月の4月度のMVPキュレーター部門(curator of the month)に選出いただきました。
受賞の理由は僕がアップし続けていた”tab – Telegraph poles”と言ういわゆる電柱写真のtabの使い方がオモシロかったと言う事でした。

【4月度のMVP受賞、おめでとうございます!】 tab 〜Interest to Action〜

で、良く聞かれるのですが、電柱の写真を撮る理由は単純で

「そこに電柱があったから」

だけです。
(厳密には手元にiPhoneがあって、私がそこにいたから)

ですが、なんで電柱の写真を撮り始めたのか?についてはあまり理由を人に言ってなかった事を思い出しました。連絡を頂いて嬉しかった事もあって、今回はその理由を書いておこうと思います。

きっかけ
写真を撮り始めたのはEOS Kiss X2を買った2008年に遡るのですが、別に最初から電柱ばかり撮影していたわけではありません。人を撮るわけでもなく街の風景ばかり撮影していました。
WWDC08に向けて出発 | NOZAKI.COM -edge of the future-

しかし、自分が何も考えずにシャッターを押して撮影した写真には壁の落書きや路肩や建物ばかりが写っていて、その中に電柱と電線も写っていました。

その写真達を見て、ふとある事を思い出したのでした。

とある経験
原宿の電柱

それは僕が社会人になった際の新入社員研修の事です。

研修の一環として電話の開通作業をしたのですが交換機のジャンパー線をつなぐ作業を行いました。その時に回線が本当に物理的な線で繋がっていて、その中を電気信号が流れる事で通信が出来ていると言う、冷静に考えれば当たり前の事に妙なロマンを感じたのでした。なぜならその当たり前の事を行うために日々設備のメンテナンスを行っている人達がいるおかげで、自分はネットが使えているわけですし、必要なときに話がしたい人と話が出来ているからです。
これは別に電話だけではなく、電気そのものも同じです。

結局のところ、物理的に線が繋がっていなかったら、実は自分が一番頼っているインフラが使えないと言う簡単な事を思い出したわけです。家の中(宅内)への引き込みの最後を担っているのが電柱とそこにぶら下がっている電線であって、いわば「現代コミュニケーションの基盤」という風に見えたのでした。これはコミュニケーションの中心がモバイルに移っても携帯のアンテナを繋いでいるのは物理的な回線である事は変わらない事実なので、ますます電柱と電線の重要性がある存在に見えてきてしまったわけです。(仕方ないです。そうかんがえてしまったのですから・・・)

これが電柱(と電線)に興味が出てきたきっかけです。
とてもロマンティックじゃーん!、と言う事。

青山の電柱

下北沢を散歩 | NOZAKI.COM -edge of the future-

電柱写真を撮りため始めた理由

要するに撮影テーマにし始めた理由。
そんなこんなで結構重要な仕事をしてくれている電柱なのですが、ご存じのとおり、電柱や電線は景観を汚すと言う理由で地中化が進んでいまして、道路によっては1本も電柱が無いところがありますよね。

電線類地中化 – Wikipedia

それならば普段見慣れた景色のスナップショットを撮りためてアーカイブ化していく事には少しくらいは意味が出てくるんじゃ無いかなと思ったからです。もっとちゃんとプロジェクト化するなら、エリアや時系列で過去・現在・未来を比較できるようにまとめる方がいいとは思っていますが、数が多すぎるから一人じゃ無理です。
一応、後からでも対応できるようにと思って時間と位置情報くらいは簡単に残しておこうと思ってカメラを一眼からiPhoneに変えてしまったのでした。デジイチだと後から位置情報を付けるのが結構面倒ですので、デフォルトで位置情報がついてくるスマホのカメラは便利だな、と。

これはiPhoneを買い換え続けてきた理由の一つだったりもしますし、iPhone5じゃなくてもいいかな、と思った理由のひとつではあります。レンズの構成が変わった4s位の画質があればスナップとしては今のところ十分なんで。

で、たまたまスマホの中に素材が溜まっていたので、”tab”を知った時に位置情報を含んだ雑誌みたいに出来るかな、と思って作ってみた次第です。
(別にFlickrで位置情報をつけていたのでそこから移行し始めたのが最初ですが)

姨捨駅近くの電柱

割と撮ってる人がいますよ

電柱と電線のあるMinimalな風景を撮影している人は世界的に見ればそれなりにいるものでして、素敵な写真がネットには色々とあがっております。そういう写真達をPinterestで集めているのでついうっかり興味が出てしまった方は下記のboardもフォローしておいてくださいませ。

denchuu-pinterest
Denchuu(Telegraph poles/Electric poles)

他に同じく電柱と電線の写真を撮っていらっしゃる方々で、僕が把握しているのはこちら。

To Be Freedom@電柱写真
第1回電柱写真展 やりますよ。 | InstagramersJapan

電柱写真クラブと言うクラブ活動は、結構最近知ったのですが、スマホの手軽さとInstagramの産物だと思うんですよね。

あと、言われてみて電柱そのものに興味が出てしまってもう少し電柱について知りたい方は下記もご一読くださいませ。

@nifty:デイリーポータルZ:電柱と電信柱は違うものだ

何でも掘ってみると色々と世界が広がっているものですね。

<2013/05/11追記>
好きな電柱10選を作って!と言うお題があったのでまとめに作っておきました。
お気に入りの電柱 10選-1 – NAVER まとめ

<2013/05/25追記>
3歳から電柱が好きな方のホームページに出会いましたのでご紹介します。
ゴロンディーナーの電柱趣味!

日本全国の電柱写真を集めていらっしゃるKyo Moritaさんのホームページ
電柱、電線、風景写真|電柱王国

カテゴリ分けされていて見やすい電線Photographsさんのホームページ
電線Photographs

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
✨ コーヒーとクラフトビールの愛好家で、在宅勤務を楽しむジェネレーションアルファ世代の父。Bromptonでのサイクリングをこよなく愛する。

最近のプロジェクト:
AIを活用して、架空のファッション雑誌風写真集を出版。デジタルアートの新境地を探求。
1999年から続く私のウェブサイトは、私の長年のライフワークであり、成長と学びの旅の記録です。未熟なコンテンツもありますが、それもすべてが私の経験の一部。SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

良かったらフォローしてくださいませ。
artcolumnmemo
役に立ったらシェアしてね
良かったらフォローしてくださいませ。
[NOZAKI.COM] edge of the future

コメント

タイトルとURLをコピーしました