道はどこかに続いている

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終電を逃して歩いて帰る。

厳密には終電には乗ったのだが、長年の癖で反対周りの山手線に乗ってしまい、大崎と言うなんとも微妙な場所で降ろされてしまった。
大人しくタクシーとも思ったが、深夜の都内を散歩する機会もここしばらく無かったので、飽きるまで歩く事にした。

iPhoneの地図で帰り道を調べると、山手線沿いにほぼ13キロ。
LTEのスピードを活かしてネットラジオのプレイリストをかけながら散歩スタート。
(最近よく使っているのはTheFuture.fm)

大崎から五反田、そして目黒までは拍子抜けする程に歩くと近いと感じた。
今までもクルマで通っててそんな気はしていたが、今回以上に体感する事もそうそうないだろう。

そして、目黒から恵比寿は住宅街を抜けつつ、恵比寿の駅前まで。
この辺りからカップルが増え出す。

深夜にカップルで歩くなんて事は恐らく元旦深夜に行く明治神宮位なので、リアルにそんな状況の人を目の当たりにするのも久しぶりで新鮮な感覚だった。というか、この人達はこの時間に家から出てどこに向かっているのだろう?等とふと疑問に思ったが帰路を急ぐことに専念。

恵比寿から渋谷に向かう途中はさらにカップルが増えるだけでなく、マジもんなモデルの人がマンション前までクルマで送られる姿なども数件目撃出来た。
何かの雑誌で見たことがあるような気がした人もいたので、写真の一枚でも撮っておけばそれはそれでスクープだったのかも知れないが、ぶっちゃけ未だに誰だかすらわからないし、そもそもそんな趣味はない。

渋谷駅の南口近くでかつてのfuraだった建物の前を通った。名前は違うが今でもクラブをやっているようで、ファッションは違えど入って行く客層も相変わらずな雰囲気なのは変わらないように見えた。きっとそれぞれの年代や趣味趣向で楽しめる世界があり、同じ時間軸の上でパラレルに展開されていただけで、ここは僕には合わなかった。

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渋谷からは明治通りにルートを変えた。

渋谷とはいえ、東口界隈の夜はそれ程人も多くない。

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ただこの辺りから増え出すのがジベタリアンだ。少し小上がりになっている店頭などには裏原な感じの三人組がよく居た。何故か決まって男2、女1だの三人組だ。良い若者が金曜の深夜になに微妙に煮え切らない駆け引きをしてるのだ?とも思ってしまったアラフォー散歩男なのだが、きっと微妙な位置関係が心地よいと感じる時間なのだ。それはそれで、そういう感覚の時期にしか楽しめないものだと、ふと思い出した。

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渋谷から原宿までは男女のビジネスマン集団が多かった。ある意味理解可能な範囲の集団なので、特に記憶にも残ってないが、こういう集団の場合、だいたい男の方が女性より酔っ払いになっているのはいつの時代も変わらないようだ。

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この辺りから正直いって飽きてきたのだが、ここまで来て夜の新宿を見ないのも勿体無いと思い、気力で歩く事にした。
ついでにこのメモも書き始めた。

しばらくすると現れたのは野方ホープで、今でも盛況のようだった。
ここには新入社員の研修の時にどう見ても新入社員に見えない集団で食べに行った事を思い出した。

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さらに歩くと代々木に近づく。
この辺りに明治神宮の入口があり、前に一度だけ合気道を習いに行った時にクルマを停めた事を思い出した。
仕事帰りと思われる人もチラホラ見かける事が多かった。

新宿東口あたりに近づくと、再びカップルが増えてくる。深夜2時近くに新宿をほっつき歩いているカップルってどういう関係なんだろうな?とか考えながら歩く。

そして歌舞伎町の端っこを通る。何故だかこの辺りには野良猫が多かった。
そして、自転車に乗って何処かへ向かって行くお姉様も多かった。会社勤めの人が自転車で帰宅するのと違うのは単純に生活する時間帯だけなのかもしれない。

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喉か渇いたので明らかに仕事上がりのお姉様がおでんを選定していたコンビニでお茶を買って一息した。そのお姉様はハンペンがかなり好きらしい。

こんな時間だからか歌舞伎町の通りは閑散とした雰囲気だった。こんな時間でも昔はもう少し賑わっていた気もするのだが、これもデフレの影響なのか?

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せっかくなので、東新宿まで来てみた。この辺りと言えばじゃれ合うホスト達の姿が目立つ。ホスト同志でじゃれあっているわけだから、当然アフターが無かった人達、という事だろうけど、これはデフレの影響ではないだろうな、と思ったが。

ここから少し歩いてこの文章を書きつつ、iPhoneの電池も減ってきたし、疲れたのでタクシーに乗る事にした。

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こうして書いた事を振り返ると、もともとヒトは好きでは無かったはずなのに、自分がそうなった理由が知りたいと思ったらいつのまにか人が自然にしている事を観察するのが好きになっていた事に気づいた。
そんな興味をいつまでも満たしてくれる東京と言う街は本当に飽きないから好きだ。思いつきで始めたこんな短い時間でも少し視点を変えればどこか知らない街を旅行をしているような気分にさせてくれる。

結局、なかなかタクシーが捕まらず、もう少し歩くはめになり、乗れたのは普段買い物に来るような場所で、ほとんどワンメーターのところだった。

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
✨ コーヒーとクラフトビールの愛好家で、在宅勤務を楽しむジェネレーションアルファ世代の父。Bromptonでのサイクリングをこよなく愛する。

最近のプロジェクト:
AIを活用して、架空のファッション雑誌風写真集を出版。デジタルアートの新境地を探求。
1999年から続く私のウェブサイトは、私の長年のライフワークであり、成長と学びの旅の記録です。未熟なコンテンツもありますが、それもすべてが私の経験の一部。SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

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