公式サイト:周防正行監督 それでも僕はやってない
この週末の周防監督のテレビでまくり具合から、ちょっと観てみたくなり、劇場へ行ってきました。
電車通勤の身としては「日々そこにある危機」であり、非常に複雑な心境になる映画でした。
今の裁判制度やら警察の取調べのいい加減さ、容疑者に対する扱いの酷さといった部分に憤りを感じましたが、それと同時に自分自身での自己防衛の手段を考えておかないといけないのだと言う事を思い知らされる映画でした。あと、やっぱり映画なんだなって気がした。1人暮らしではあったけど、たまたま田舎からお母さんが出てきたり、フリーターなお友達ががんばって動いてくれたり。
別に痴漢と言う容疑じゃなくても、自分が容疑者になればこういう扱いになるのだと言う事や、客観的な証拠を用意するって良く言う話だけど、1分1秒の単位まで客観的な証拠として証明できないと、効果が薄いって事なんだなぁと思いました。
目撃者の証言は有効と言っても、人の記憶はあいまいで、微妙な言葉のニュアンスひとつで事実からかけ離れていってしまうものなので、人が人を裁かなければならない現在の仕組み自体が改めて偏った価値観に基づいた不完全な仕組みで運用されているのだと感じました。残念なのはそれ以外の方法が無いと言う事ですが。
言葉を巧みに操れる人が望むと望まざると事実をゆがめて報道してしまうのと同じく、真実は人によって変わるものなのだと改めて思いました。口当たりの良い言葉を吐き出す人の方が受け入れられやすいのはどの社会でも同じなわけですが、それが受け入れられてしまう状況こそが、人々の無関心さの表われなのでしょうね。
そういえば、公式サイトではこの被告の人が有罪か、無罪かの投票を行ってました。もし映画を観たら投票してみるといいかも。
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