久々映画を観て来ました。
公開間もない「HERO/英雄」。
心にじーんと感動がやってくる中国大陸っぽい良い映画(どんなだよ)。アクション映画の要素が強いがメッセージはそうではないので。まぁ武侠の精神だねぇ。
何しろこの映画の予告編を見た時からずーっと気になっているあの”矢”が飛んでくるシーンの結末が知りたかったと言うのもあるが、時代背景も興味あったし、映像の色使いのきれいさをちゃんと見てみたかったし、第一アクションのすばらしさと言う点からでもある。
ストーリーは秦の王が始皇帝と呼ばれる前の時代設定。戦乱の世の中に起きた「始皇帝暗殺」話のひとつで、ジェットリー扮する”無名”の語りで映画が進んで行く。で、どういう話なんだ?と聞かれても答えようが無いし、第一先に知ってしまったら当たり前の事に気が付くだけでつまらないでしょ?史実は史実で何があっても変わらないわけです。
この映画のタイトル「HERO/英雄」と言うのがこの映画に更なる深みを与えている理由なんだろうと僕は思っている。確かにマーシャルアーツの達人がいっぱい登場しており、ジェットリー(無名)&ドニーイェン(長空)のアクションは比較されているマトリックスなんか眼じゃない程速く、その速さが美しい。登場している大軍の兵士が一切CGを使っていない本当の軍人さんであると言うスケール感もワダエミ氏の色彩感覚も鼓童の太鼓も映画を盛り上げて行く要素だったのだが、何はともあれ僕には”英雄”と言うタイトルとこのシナリオが一番心に残った。結局のところ世の中、先行きが不透明で何かにすがる先であるリーダーシップやらカリスマが切望されている現代だからこそ、この映画が問いかける”平和な世の中にはヒーローなんかいらんとちゃいます?”のメッセージは共感しやすいものがあった。安定した未来が見える時代なら個人の幸せが重要になってくるだろうからね。
映像に関してはワイヤーアクションと俳優の動きの速さ、正確さ、「静と動」の表現、シーン毎の色使いの鮮やかさがセンス良く、飽きの来ないバランスで編集されていたと思う。黒澤映画の「乱」に通ずるものを感じましたが。
調べたところによると、海外バージョンでは2時間モノの編集があるらしく、今回日本で公開されたバージョンではカットされたシーンが多々あるとか・・・。確かにハリウッドの映画に映画館の大半を支配されている現状では上映回数を増やして行く方法で動員人数を増やすしか無いのかも知れないが、個人的には予告編の作り方を変えないと、ただのアクション映画としか認知されないため映画ファンに観て貰い難いものとなってしまうのではないかと思っている。かといってメロドラマ風になっても困るんだが。プロモーション方法を変えて、是非ともハリウッド映画の牙城を崩して欲しいところです。
何はともあれ、全員ではないが結構お勧めの映画。
(個人的予想では多分大ヒットはしないんだろう・・・して欲しいが)
それにしてもCrewの事を中国語では「工作人員」と書くんだねぇ。結構笑えるっつーか、恐い。
追記
DVDも発売されました。
• 定価: ¥3,790
• DVD (2004/01/23)
• Region 2 (日本国内向け)
リージョンコードについて
• NTSC
• DTS
• ディスク枚数: 2
• レントラックジャパン
コメント